試験概要
残留性試験をはじめ、環境中予測濃度に関する試験、水産動植物影響試験など、多くの試験では、0.01 ppb(千億分の1)からppm(百万分の1)レベルまでの極く低濃度の農薬等の定量が必要です。分析操作は、ミキサー等による作物等試料の均一化⇒溶媒抽出⇒濃縮⇒精製⇒測定⇒定量という順になります。
作物抽出液には分析対象物質に比べて著しく多量の植物成分が含まれているため、農作物の残留分析ではそれらを除去する精製操作が極めて重要です。ミニカラムの利用など種々の技法を駆使して精製した後、高分解能のGCやLCカラムを備えた分析装置で分析対象物質をその他成分から分離すると同時に、質量分析検出器等によって検出し、定量します。
当研究所は設立以来、作物等における残留農薬に係る環境省の告示分析法や厚生労働省の公定試験法の開発に携わってきたほか、地方自治体の残留農薬分析担当者の分析研修を担当するなど、残留分析の豊富な経験を持っております。また、分析機器についても、最新鋭の高性能機器を備え、その整備に力を入れております。専門的な高度の知識と技術を持った職員が、高性能の分析機器等を駆使し、信頼性の高い正確な試験成績をご提供致します。次の各種試験も実施いたします。
受託試験・技術項目
- 分析法開発
- 分析法のバリデーション
- 加工調理試験(急性参照量(ARfD)設定に伴う短期暴露量評価で、重要性が増す農産物の加工調理試験もご要望にお応え致します。)
主要機器・設備
- 高速液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(LC-MS/MS)
- 高速液体クロマトグラフ-質量分析計(LC-MS)
- ガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS)
- 高速液体クロマトグラフ (DAD, UV, FL)
- ガスクロマトグラフ (FID, FPD, NPD, ECD)
- UV-VIS分光光度計
- フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)